「ロカボ」の提唱者で「糖質制限食」の普及を牽引する山田悟先生に「ロカボ」についてお伺いするシリーズ。第4回は「ダイエットやトレーニング時におけるロカボ生活」について解説いただきます。
プロフィール
一般社団法人 食・楽・健康協会 代表理事
北里研究所病院
山田 悟 氏(Satoru Yamada)
医師として多くの患者と向き合う中、食べる喜びが損なわれる食事制限において、いかにQOLを上げていけるかを追求。ゆるやかな糖質制限食=ロカボの考え方を普及させ、糖質制限食の第一人者としてメーカーとの共同開発やメディアでの啓蒙活動などを行う。
ロカボで我慢しないダイエット
「楽しく続けたくなる」がロカボのモットー
ロカボは『食・楽・健康協会』が提唱する「おいしく楽しく適正糖質」を摂取する食事法のことです。
ロカボとは
ロカボは、糖質の摂取をゼロにしない「ゆるやかな糖質コントロール」を基本としています。長期間楽しく、おいしく続けられることが特徴で、健康的なダイエットとしても期待できます。
ロカボの基準
1食あたりの糖質量20〜40gを3食と、糖質量10gの間食を摂取することを推奨しています。ロカボは、極端な糖質制限ではなく、おいしく楽しく適正糖質を取ることで食後高血糖を抑えます。
ロカボと糖質の関係や効果については過去の記事を参照ください。
人はどうして太るの?カロリー制限で痩せられない訳とは
人が太るメカニズムは、「エネルギー(カロリー)の摂りすぎ」と考える人が多いでしょう。
この考え方も間違いではないですが、 エネルギー摂取を制限するだけでは痩せられないということが分かってきました。
なぜなら、摂取カロリーや消費カロリーを正確に把握することは難しいうえに、空腹感には勝てないからです。
そこで私たちが有効だと考えているのが「満腹感を得ながらエネルギー摂取量を制御する」というロカボの食事法です。
まず、血糖値の急上昇、急降下=血糖値スパイクを抑制することによって、飢餓感を感じにくくなります。さらにたんぱくや脂をしっかり食べることにより、適度に満腹感を感じ、エネルギー摂取量を制御できます。
しかも、たんぱく質や脂質は食後にエネルギー消費が高まる「ダイエット・インデュースト・サーモジェネシス」という現象を起こしやすくしてくれます。
適度な満腹感でエネルギー摂取量を制御した上で、エネルギー消費を高められるロカボの食事法を実践することで痩せやすくなると考えています。
ロカボを実践!食事法のコツ
ロカボを実践すれば食後血糖値を上げにくく、適切なエネルギー摂取と健康的なダイエットが期待できます。
ロカボは糖質以外なら肉も魚も卵も、野菜もお腹いっぱい食べてOKです。まずは主食を減らしておかずを増やすところから始めてみましょう。
主食なら白米は茶碗1/2、食パンは8枚切り1枚、パスタやラーメン、うどんそばなどは1/2量を目安に減らしてみましょう。
野菜の中でもサツマイモ、サトイモなどのイモ類、小豆などの豆類、カボチャやトウモロコシは糖質が高いので注意してください。
また、ロカボは1日3食が基本です。食事を抜くと逆に血糖値が上がりやすくなります。
実は朝食時が1番血糖値が上がりやすい時間帯です。朝食こそロカボを意識して食事してみてください。Nuccaの低糖質パンを朝食にするということは、まさに理にかなっていると思いますよ。
また主食を最後に食べる「カーボラスト」という方法がおすすめです。
たんぱく質や脂質は、血糖上昇のブレーキ役である「インクレチン」というホルモンの分泌を促します。
食事を始めてからインクレチンが出るまで20分くらいかかるといわれていますので、食事の最後の方に主食を食べると血糖値上昇を抑制できます。
ロカボは食べる筋トレ?
たんぱく質を摂ると、血糖値の上昇にブレーキをかけてくれるだけでなく「食べる筋肉トレーニング(筋トレ)」にもつながります。
筋肉をつけるには筋トレが必要だという風に思っていらっしゃる方は多いでしょう。もちろん筋トレは有効です。
しかし、筋トレだけでなく、たんぱく質などの栄養素を適度に摂取することが、実は筋肉量を増やすことには大切なのです。
たんぱく質を毎食コツコツ摂ることで筋肉作りに役立つ
食べる筋トレのポイントは毎食欠かさずたんぱく質を摂ることです。
1日に体重1kgあたり1.6gのたんぱく質を摂取すると、筋肉の増強効果が最大になるといわれていますが、ロカボの食生活を行うと同じくらいのたんぱく質が摂取できます。
逆にたんぱく質が足りないと筋肉量が落ち、筋力も低下、骨密度も骨質にも影響が出ます。
Nuccaのパンは糖質が抑えられているだけではなく、たんぱく質が豊富に含まれている点も特徴です。
例えばNuccaの食パンは、たった1枚でたんぱく質を約7g摂取できます。ゆで卵1個ぐらいのたんぱく質量に相当しますので、かなり手軽に朝食でたんぱく質を取ることが可能になりますね。
ロカボの食生活には、ぜひNuccaのパンを取り入れていただくと良いと思います。
出典)日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
脂質を正しく摂ることで、体脂肪を燃やしやすく
せっかくたんぱく質を食べていても、脂質が足りないと食べたたんぱく質をエネルギー源に回してしまうことになります。
それはもったいないので、たんぱく質と脂質の両方を食べていただくことがとても重要です。
人間の体は糖質と脂質をエネルギーに変えています。 ふだんから脂質の摂取を多くすると脂質中心でエネルギーを燃やすようになります。 糖質を控え、脂質をしっかり食べていると体脂肪を燃やしやすい体質を目指せます。
ロカボが糖質を控えるだけでお腹いっぱい食べても太らないのは、 脂質を上手にエネルギーとして使えるようになるからです。
逆に体脂肪を作るのは糖質の過剰摂取です。
糖質を摂取し、食後高血糖になると、過剰なインスリン分泌が起こります。このインスリンというホルモンが、脂肪細胞のエネルギー取り込み口を大きく開かせ、結果として体脂肪が溜まっていくのです。
そういった意味でも、パンを低糖質にすることで、主食を楽しみながら健康的にダイエットをすることが可能になると思いますよ。
いかがでしたか?もちろん運動も大事ですが、まずはロカボの食事法を取り入れて、筋力アップやダイエットを始めてみてはいかがでしょうか。
次回は「ロカボと間食」について紹介します。
開発者が語るおすすめしたいNuccaパン
おすすめのNuccaパンや、おいしく続けられるコツを、開発者自らが語ります。