第3回 ロカボの効果②

第3回 ロカボの効果②

2024/11/14

「ロカボ」の提唱者で「糖質制限食」の普及を牽引する山田悟先生に「ロカボ」についてお伺いするシリーズ。第3回は前回に続き『ロカボの効果と血糖値』について解説いただきます。

 

プロフィール

一般社団法人 食・楽・健康協会 代表理事
北里研究所病院
山田 悟 氏(Satoru Yamada)

医師として多くの患者と向き合う中、食べる喜びが損なわれる食事制限において、いかにQOLを上げていけるかを追求。ゆるやかな糖質制限食=ロカボの考え方を普及させ、糖質制限食の第一人者としてメーカーとの共同開発やメディアでの啓蒙活動などを行う。

 

ロカボの効果その2


ロカボで見込める効果

ロカボ生活を送ると、いくつかの効果が期待できるとお話ししました。そのメカニズムについて、ご説明します。

ダイエット

ロカボは特に、ダイエットをしたい人におすすめしています。ロカボはカロリー制限のダイエットとは違い、脂質やたんぱく質の制限は一切ありません。
栄養不足な食生活にならないため、骨密度や筋力の低下を気にせずに、健康的なダイエットを目指せると考えられています。食べること自体をNGとしないので空腹感も少なく、カロリー制限よりも長く続けやすい方法といわれています。

糖化対策

体内に余分な糖質を蓄積すると、それがたんぱく質と結びつき、糖化という現象が起こります。糖化は健康面だけでなく、美容面でも避けたい反応です。美容と健康美肌のためにもロカボな食生活を推奨しています。

日中のパフォーマンス向上

血糖値の急激な上昇と急激な下降を「血糖値スパイク」と呼び、これが起こると眠気を感じる方が多いことが分かっています。ロカボな食生活に変えることで、食後の血糖値の上昇を抑え、食後や日中に眠くなりにくくなり、日中のパフォーマンス向上に役立つ可能性があります。
実際、私たちの研修の中で、タクシードライバーの方たちにロカボに取り組んでいただいたところ、眠気が減って昼寝の必要がなくなり、運転をしている時間(実ハンドル時間)が延長したという方が多くいました。※
仕事のパフォーマンスが上がったというビジネスパーソンの声も聞きます。
※山田医師と東京都内のタクシー会社と共同で行った研究「ロカボチャレンジ第2弾」の成果より


本当に怖いのは「食後高血糖」

「食後高血糖」とは食後に血糖値が急激に上昇することです。
食後高血糖が非常に大きな問題だということが分かったのは30年ほど前のことです。
血糖値は食事のたびに上がり、食後3時間経過で通常の数値に戻ります。

食後の血糖値が”急激に”上がると、その反動で過剰なインスリンが過剰に分泌され、血糖値が急激に下がります。

そのまま低血糖になってしまうような方もいますが、 低血糖までいかずとも、倦怠感、疲労感、眠気、集中力の低下などを引き起こします。また、血糖値の急激な上下(血糖値スパイク)によって飢餓感が生まれ、食べ過ぎになるということも分かっています。

食後の高血糖、そして血糖値スパイクがさまざまなパフォーマンスの低下に関わっているのです。


気になる食後血糖値は自分で測れるの?

食後の血糖値は、自宅でも測定することができます。町にある一般的な調剤薬局でも血糖値の測定機器を買うことができます。

また、自分で測るのが不安な方や測定器の価格が高いと思われる方は、検体測定室のある薬局やドラッグストアで、1回500円程度で測定が可能です。

気を付けるのは測定のタイミングです。食事の食べはじめから1~2時間後の血糖値を測定しましょう。食べ終わってからではなく、食べはじめてからの時間であることに注意してください。

食後の血糖値が140mg/㎗を超えていたら食後高血糖です。

<血糖値測定の方法について詳しく知りたい方はロカボ公式サイトをご覧ください>

いかがでしたか?今回はロカボの効果と食後血糖値について解説しました。

食後血糖値と血糖値スパイクに気を付けることが重要だとお分かりいただけたでしょうか。ぜひ、日々の健康的な生活のために、ロカボを取り入れてみてください。

次回は「ダイエットや筋トレ時のロカボ生活」についてお伺いします。

開発者が語るNuccaパンへの想い

Nuccaパンはどうして生まれたのか?その開発の裏側とこだわりを、開発者自らが語ります。

こちらの記事もおすすめです