「ロカボ」の提唱者で「糖質制限食」の普及を牽引する山田悟先生に「ロカボ」についてお伺いしました。第2回は『ロカボの効果』についてです。
プロフィール
一般社団法人 食・楽・健康協会 代表理事
北里研究所病院
山田 悟 氏(Satoru Yamada)
医師として多くの患者と向き合う中、食べる喜びが損なわれる食事制限において、いかにQOLを上げていけるかを追求。ゆるやかな糖質制限食=ロカボの考え方を普及させ、糖質制限食の第一人者としてメーカーとの共同開発やメディアでの啓蒙活動などを行う。
ロカボの効果
ロカボの効果とは?
ロカボは、糖質の摂取をゆるやかに制限する食事方法のことです。(第1回「ロカボと糖質」の記事はこちら) 今回は、ロカボを実践することで期待できる効果について、紹介していきます。
ロカボの効果
ロカボには以下のような効果があると考えられています。
ダイエット
肥満の人がロカボ生活を行うと、健康的にダイエットを目指せるといわれています。カロリー制限の減量よりも骨密度や筋力の低下、栄養不足が気にならないとされています。
糖化対策
体内に余分な糖質が蓄積すると、たんぱく質とくっ付いて「糖化」がおこります。
健康のためには過剰な糖質摂取を防ぐことが大切です。
日中のパフォーマンス向上
食後高血糖が起きにくいロカボを実践することで、日中眠くなりにくくなり、仕事のパフォーマンス向上を目指せます。
カロリー制限の食事は長続きしない?
カロリー制限食は、かつては世界的に手軽にできるダイエット法として受け入れられていました。カロリー制限食の特徴は「何を食べてもいいけれど、腹8分目で抑えてください」というものです。
しかし、この考え方では「お腹いっぱい食べたい」という欲求が満たされません。私自身もカロリー制限食にトライしたことがありましたが、数か月もすると我慢しきれずに普通に食べてしまって、体重は完全にリバウンドしました。
ずっと我慢し続けなければいけない、これがカロリー制限食の特徴です。
一方で、ロカボは一切カロリーを気にしません。たんぱく質や脂質についても無制限です。お腹いっぱい食べていい、 いつ食べてもいいのです。
また、糖質の多い料理についても、完全に除去するのではなく、少量食べたり、調理法や食材を変えて味わったりすることができます。
満腹感を感じにくくなる原因の一つは糖質の過剰摂取、それによる血糖値スパイクです。過剰な糖質摂取をしなければ、満腹中枢が正しく機能し、その人にとって適正なエネルギー量で満足することができます。
ロカボは我慢ではなく、「工夫して食事を楽しむことができるようになる」からこそ、続けやすいのです。
高齢者にもロカボをすすめて大丈夫?
ロカボは誰でも始められます。
先ほどお話ししたカロリー制限食は骨密度の低下を招き、骨折のリスクが高まるので、高齢者の方にこそロカボ生活をおすすめします。
高齢者の方にとって怖いのが寝たきりの状態になってしまうことです。ロカボの食事法ではたんぱく質や脂質をしっかり摂取できるため、筋肉量の維持につなげやすいのです。
ロカボを実践することで得られる効果について、お分かりいただけたでしょうか。
次回は「ロカボの効果②」です。ロカボ生活によってどんなことが期待できるのか、そのメカニズムについて詳しくお伺いします。
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